第160回芥川賞に選ばれた上田岳弘さんの「ニムロッド」。仮想通貨が題材のなんとも現代的な話ですが、一体どんな内容なのでしょうか?
あらすじや実際に読んだ方の感想などを調べてみました。
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目次
上田岳弘の「ニムロッド」のあらすじ
ある日、主人公の中本哲史は社長から呼び出され「新規事業を推進すること」を命じられる。
新規事業の内容は、『仮想通貨をネット空間で「採掘」すること』
華々しく立ち上げるような事業とは程遠く、担当者は中本哲史たった一人。なんとも寂しい。
元々感情を表に出すようなタイプではなく淡々と業務をこなしていく合理主義者の中本は、慣れない新規事業だったがきっちりと仕事を行く一方で、プライベートでは恋人の田久保紀子の疲れも癒すなどなかなかの出来る男。
しかし、そんな中本は仕事で気になっていることがひとつ。
それは名古屋支社に務める同僚のニムロッドこと荷室仁からの「謎のメール」。
小説家の夢を挫折したニムロッドは、自身の発表出来なかった小説「ダメな飛行機コレクション」をメールで中本に送りつけてくる。
小説の内容は、「ダメな飛行機があったからこそダメじゃない飛行機が今ある。」「でももしダメな飛行機が造られることがなく、ダメじゃない飛行機が出来てしまえば、彼らは必要なかったのか?」など、その他にも染色体に関する話など、それもまたとにかく「無駄でダメなもの」に関して。
ニムロッドのメールに書かれる「だめな完成されていない無駄な存在」が、合理主義者である中本哲史の考えに影響を及ぼしていくーーーーー。
原理な現代の象徴ともいえる仮想通貨。
その発掘業務を行う主人公とその過去にトラウマを抱える彼女、そしてニムロッドのダメな小説がからみあっていく物語。
現代人の悩みや社会の歪み、未来に対する漠然とした不安などがうまく書かれている作品となっています。
上田岳弘の「ニムロッド」の感想は?
見事に芥川賞を受賞した、上田岳弘の「ニムロッド」ですが、すでに読まれている方の感想を調べてみました!
仮想通貨の構造も理解できるように書いてあるし、これからの不安や変化みたいなものもまとまっていて良作だと思います。
主人公が優秀な身内の聞き手になる手法も見やすい王道テクニックかなと思います。
最後の展開はよく読めば何が起きたのか分かるようになっているけど(読者の創造にお任せします系ではないと思う)個人的にはその展開必要?という感じ。
『仮想通貨』というのは私には難しかったので、これを『貨幣』と置き換えて読んでみました。
実体のない抽象概念で、人々の欲望がその存在意義を保証しているという点では同じで、『仮想通貨』はその進化型だと思ったからです。全体的に無機質な、空虚な雰囲気が漂っているようでも、よく読むと詩的な表現がちりばめられています。
生と仮想通貨、謎めいたニムロッド、生きるが故の苦悩がリンクし、僕自身と重ね合う。何度か読み返したくなる。
仮想通貨を現代のバベルの塔に擬しているのは意表を突いて意外に的を射ている。ITやAIの進化で情報の共有化が進み個の区別が希薄になり終いには人類でないものに脱皮していくという観念的な想定の中で一人最後の愚かな人間であり続けたいという主人公の結びはバベルの塔建設を企てる変わらない人間の愚かさを擁護する点で共感が持てる。何重ものパラドクスを孕む観念小説と言えるだろう。
芥川賞受賞、そして仮想通貨がテーマとのことで購入。
2時間ほどで読めました。
感想としては、ものすごく中身が薄い。ストーリーあるのこれ?ただ淡々と物事の描写してるだけで、本当に面白くなかったです。
期待していただけに残念でした。
上田岳弘さんのプロフィール
氏名:上田岳弘(うえだたかひろ)
生年月日:1979年2月26日(39歳)
出身地:兵庫県明石市
大学:早稲田大学法学部卒業
デビュー作:「太陽」(2013年)
主な受賞作:
2013年 「太陽」で第45回新潮新人賞受賞
2014年 「太陽」で第27回三島由紀夫賞候補
2015年
「惑星」で第152回芥川龍之介賞候補
「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞受賞
2016年
「異郷の友人」で第154回芥川龍之介賞候補
Granta Best of Young Japanese Novelists 2016
『異郷の友人』で第38回野間文芸新人賞候補
2017年 『塔と重力』で第39回野間文芸新人賞候補
2018年 『塔と重力』で第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞(平成29年度)受賞
2019年 「ニムロッド」で第160回芥川龍之介賞受賞
最後に
今回は芥川賞を受賞された上田岳弘の「ニムロッド」について調べてみました。
芥川賞ってもっとお堅いイメージがありましたが、仮想通貨が題材ということで少し読んでみたくなりました。
読んだ方は賛否両論でしたが、内容的には私は好きそうだな〜読みやすそうです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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